結論クレーンで出てくる許可は、大きく3つに分かれます。①道路を使って作業する=道路使用許可(警察署)、②大きい車両が公道を走る=特殊車両通行許可(道路管理者)、③道路に物を置き続ける=道路占用許可(道路管理者)。名前が似ていますが、担当窓口も、申請する人も、かかる日数も違います。なお、当社は申請の代行は行っておりません。どの許可が関係しそうかの整理と、どこに確認すればよいかをご案内します。
はじめに(日ごろクレーンをお使いの方へ)このページは、初めてクレーンを手配される方や、社内の新しいご担当者様に向けて、許可まわりの基本を整理したものです。日ごろ現場で段取りをされている方には既にご存じの内容が多いと思いますので、必要なところだけご覧ください。よろしければ、社内の共有資料としてお使いください。
混同されやすい3つの許可
| 許可の名前 | ざっくり言うと | 申請先 | 主に申請する人 |
|---|
| 道路使用許可 | 道路を使って作業するため | 所轄の警察署 | その場所で作業を行う側(発注者・施工者側) |
| 特殊車両通行許可 | 大きい・重い車両が公道を走るため | 道路管理者(国・自治体など) | 車両を運行する会社 |
| 道路占用許可 | 道路に物を置き続けるため | 道路管理者 | 置く物の設置者 |
クレーンの現場でよく出てくるのは①と②です。③は、足場や仮囲いを道路にはみ出して設置するような場合の話で、クレーン作業そのものでは出てこないことが多いです。
大事なのは、①と②がまったく別の手続きだということです。「許可は取ってあります」というやり取りで、お互い違うものを指していた——これは実際に起こります。
クレーンの現場でよく出てくるのは①と②です① 道路使用許可——道路を使って作業するとき
敷地の中にクレーンを据えられれば、この話は出てきません。問題になるのは、次のような場合です。
- 敷地が狭く、クレーンを道路上に据えて作業する
- 敷地内に据えるが、アウトリガーが道路にはみ出す
- 荷物を積んだトラックを道路に停めて、そこから吊る
- 作業中、道路の一部または全部を通行止めにする
このような場合、所轄の警察署への道路使用許可の申請が必要になることがあります。申請するのは、一般にその場所で作業を行う側です。元請けの会社が取ることもあれば、実際に作業する専門工事の会社が取ることもあり、現場によって変わります。
申請の代行は行っておりません要否の判断は、道路の状況と作業のやり方によります。最終的な判断と申請の手続きは、所轄の警察署へご確認ください。当社が申請を代行することはありません。ご相談いただければ、据え位置を工夫して道路を使わずに済ませられないか、といったところは一緒に考えます。
住宅街や狭い道路の現場では、この許可のほかにも確認しておきたい点があります。詳しくは「住宅街・狭い場所でのクレーン作業」のコラムをご覧ください。
② 特殊車両通行許可——大きいクレーンが公道を走るとき
こちらは、作業ではなく移動(回送)の話です。
道路には、通行できる車両の重さや大きさの基準があります。大型のクレーンは車両そのものが重く大きいため、経路によってはこの基準を超え、道路管理者の許可が必要になります。
こちらは、公道を走る車両を運行する会社が、自社の車両について手続きします。お客様の側で申請書類を用意していただく必要はありません。当社は回送の段取りを組む立場です。詳しくは「特殊車両通行許可とは?」のコラムに書きました。
つまり、同じ現場でも、
- 走ってくるまで=②は、車両を運行する会社が自分で手続きする
- 現場で道路を使う=①は、その場所で作業を行う側が申請する
と、担当が分かれるのが一般的です。ここを最初に確認しておくと、当日「誰も取っていなかった」という事態を避けられます。
①は作業を行う側、②は車両を運行する会社③ 道路占用許可——道路に物を置き続けるとき
足場、仮囲い、資材置き場など、道路に物を継続して置く場合の許可です。クレーンは作業が終われば引き揚げますので、この許可の対象になることは多くありません。
ただし、工事全体で見ると、足場の設置などで別途必要になっている場合があります。クレーンの日だけを見て「許可は要らない」と判断せず、工事全体でどうなっているかを一度確認しておくと安心です。
日数の感覚——早めが効くのは②
- 道路使用許可:比較的短い期間で下りることが多いですが、警察署や内容によって変わります
- 特殊車両通行許可:経路の審査があるため、日数がかかることがあります。大型機ほど早めの相談が効きます
- 道路占用許可:内容によって幅があります
具体的な日数は、地域と時期と内容で変わるため、ここでは断定しません。ただ、大型のクレーンを使う予定が見えた時点でご相談いただくと、段取りに余裕が生まれるのは確かです。日程が固まってから相談されると、許可の日数が理由で日程を動かさざるを得ないことがあります。
手配のタイミングそのものについては「クレーン手配は何日前まで?」のコラムもあわせてご覧ください。
手配の前に、確認しておくと早い3つ
- クレーンを敷地内に据えられそうか(据えられない場合、道路使用許可の検討が要ります)
- 前面道路の幅と、交通量のおおよそ(バス通りなのか、生活道路なのか)
- 工事全体で、すでに取っている許可があるか(足場の占用許可など)
いずれも「分からない」で構いません。現場の写真が1枚あると、道路の様子から見当が付けやすくなります。
アウトリガーを張り出した先が道路にかかることがあります(イメージ)よくある質問
Q. 道路使用許可は、そちらで取ってもらえますか?A. 申請の代行は行っておりません。道路使用許可の申請は、一般にその場所で作業を行う側(発注者・施工者側)が、所轄の警察署へ行います。当社は据え位置や作業のやり方についてご相談に乗ります。なお、回送に関わる特殊車両通行許可は、車両を運行する会社が自社の車両について手続きしますので、お客様の側での申請は不要です。
Q. 敷地内に据えるので、許可は要りませんよね?A. 敷地内に完全に収まるのであれば、道路使用許可の話にはならないことが多いです。ただ、アウトリガーを張り出した先が道路にかかることがあります。図面上は敷地内でも、実際に張り出すと足が出る——これは現場で起こりがちです。設置スペースの考え方は「
クレーンの設置スペースはどれくらい必要?」のコラムをご覧ください。
Q. 許可が下りなかった場合、どうなりますか?A. 作業のやり方を変えて対応できる場合があります。据え位置を変える、機種を変える、作業の時間帯を変えるなど、選択肢は現場によって違います。早い段階でご相談いただくほど、取れる手が多くなります。
分からない段階で、ご相談ください
許可の話は、慣れていないと名前だけで混乱しやすいところです。トン数や日程と同じように、決まっていない・分からないままご相談いただいて構いません。現場の場所と、やりたい作業の内容をお聞かせいただければ、どの許可が関係しそうかの整理と、どこに確認すればよいかをご案内します(申請そのものの代行は行っておりません)。電話(平日9:30〜18:00)・LINE・フォームからお気軽にどうぞ。現場の写真、特に前面道路が写っているものがあると、話が早く進みます。
このコラムを書いている会社についてこのクレーン手配ナビは、建設グループARCFEELGROUPが運営しています。私たちは自社でもAIツールを8本作って業務を回しており、その経験を建設会社の方向けに、無料の60分オンライン相談会でお話ししています(前半30分は当社の実画面、後半30分は貴社のお話を伺います)。
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