たまには、仕事の役に立たない話も。
英語の crane は、もともと鶴を指す言葉です。長い首を伸ばして餌をついばむ姿が、腕を伸ばして物を吊る機械に重なった——ということのようです。
言われてみれば、確かに似ています。首を長く伸ばして、そっと下ろす。あの動きは鶴そのものかもしれません。日本語でも「首を伸ばす」と言いますし、腕を指して「ブーム」と呼ぶ一方で、機械全体は鳥の名前で呼んでいる。少し面白い組み合わせです。
現場でいちばんよく使うラフター。正式にはラフテレーンクレーンで、rough terrain(ラフ・テレーン)=荒れた地形という意味です。
つまり「舗装されていない、でこぼこの現場でも走れるクレーン」。名前がそのまま性格を言い当てています。大きなタイヤで、造成中の現場や砂利の敷地に自分で入っていける。運転席が一つで、走るのも吊るのも同じ席から操作します。
現場に着いてすぐ吊り作業に入れるのは、この生い立ちのおかげです。
オルター(オールテレーンクレーン)は、all terrain =全地形。
ラフターが「荒れた地面」なら、こちらは「どこでも」。不整地を走れる性格を残しながら、高速道路を長距離走れる性能も持たせた機械です。名前のとおり、守備範囲を広げにいった系譜と言えます。大型・重量物の現場で出番になります。
クローラークレーンの crawler は、crawl(這う)から来ています。日本語では無限軌道、いわゆるキャタピラの足回りです。
タイヤではなく履帯で接地面を広く取るので、やわらかい地盤でも沈みにくい。文字どおり、地面を這うように進む。名前を知ってから見ると、動き方の説明そのものだと分かります。
こうして見ると、面白いことに気づきます。
| 呼び名 | 由来 | 言っていること |
|---|---|---|
| クレーン | 鶴 | 首を伸ばして吊る姿 |
| ラフター | 荒れた地形 | でこぼこでも走れる |
| オルター | 全地形 | どこでも走れる |
| クローラー | 這う | 履帯で進む |
クレーンという名前だけが「吊る姿」で、あとは全部「どこを走れるか」なんですよね。
考えてみると、これは理にかなっています。吊る力の違いはトン数という数字で表せますが、「どんな地面に入れるか」は数字になりません。だから名前のほうで区別してきた、ということなのだろうと思います。
現場で機種を選ぶときも、実は同じ順番で考えています。何を吊るかより先に、そこまで入れるのか。名前が先に教えてくれていた、というわけです。
小型のトラックに小さなクレーンが載った車両を、現場ではユニックと呼びます。これは他の三つと違って、もともとある会社の商品名が広まったものです。
こういう例はほかにもありますね。宅配便やホチキスと同じで、商品名がそのまま一般名詞のように使われている類です。正式には積載形トラッククレーンと呼びます。うっかり書類に「ユニック」と書くと、場面によっては通じないこともあるので、そこだけご注意を。
というわけで、今日は雑学でした。機械の性格が知りたい方は、「移動式クレーンの種類まとめ」や「ラフターとオルターの違い」のコラムもどうぞ。名前の由来を知ってから読むと、少し見え方が変わるかもしれません。
現場の近くのクレーンを手配するので、回送が短く、早く・ムダなく対応できます。
何トンを手配すればよいかから、ご助言できる担当が対応します。しつこい営業はいたしません。