「25t吊り」「50t吊り」といった呼び方は、吊り上げ荷重という値から来ています。これは、ブームを一番短くして、一番近いところで吊ったときの最大値です。クレーンの大きさを表す呼び名だと思ってください。
現場で実際に吊れる重量は、この値ではありません。吊る位置がクレーンから離れるほど、また高く伸ばすほど、吊れる重量は下がります。これは、腕を伸ばして重い物を持つのが辛いのと同じ理屈です。
| 表の軸 | 意味 |
|---|---|
| 縦(または横)=作業半径 | クレーンの旋回中心から、吊り位置までの水平距離 |
| もう一方=ブーム長さ | ブームをどれだけ伸ばした状態か |
| 交点の数値 | その条件で吊れる最大の重量(定格総荷重) |
つまり、「どれだけ離れたところに、どれだけ伸ばして届かせるか」を決めて、その交点を見るという使い方です。同じ機体でも、作業半径が伸びれば数値は大きく下がります。表を初めて見ると、その下がり方に驚く方が多いです。

ここが実務で一番大事なところです。表に載っている定格総荷重には、フックや玉掛け用具の重さが含まれています。一方、実際に吊りたい荷物の重さは定格荷重と呼ばれ、「定格荷重 = 定格総荷重 −(フック・ワイヤー・シャックルなど吊り具の重量)」という関係になります。
性能表をよく見ると、途中に太い線が引かれていることがあります。これは、その数値が何によって決まっているかの境目です。太線の一方の側は、クレーン自体の強度で決まる範囲。もう一方の側は、転倒しないかどうか(安定度)で決まる範囲です。
つまり太線の外側は、無理をすると機体が壊れるのではなく、転倒に近づく領域ということになります。どちらも守るべき値であることに変わりはありませんが、性格が違うということは知っておいて損がありません。
性能表は、アウトリガー(張り出し脚)を最大まで張り出した状態を前提にしている場合と、途中までの状態を別表にしている場合があります。現場が狭くて最大まで張り出せないときは、当然、吊れる重量は下がります。「表では足りるはずだったのに、現場では張り出せなかった」となると、機種の選び直しになります。設置スペースの考え方は、別記事「クレーンの設置スペースはどれくらい必要?」もご覧ください。
ここまで書いておいて何ですが、依頼される側がこの表を読めなくても、まったく問題ありません。必要なトン数の選定は、こちらで行います。「何を・どこへ・どれくらいの距離で吊るか」をお聞かせいただければ、条件に合う機種をご提案します。表の見方を知っておくと役に立つのは、社内で先に検討したいときや、若手に説明するときです。そういう場面のための記事だと思っていただければ。
定格総荷重表は、慣れないうちは読みにくいものです。トン数や機種が決まっていなくても大丈夫ですので、「何を・どこへ吊るか」だけお聞かせください。電話(平日9:30〜18:00)・LINE・フォームからご相談いただけます。現場や吊り荷の写真がありましたら、あわせてお送りください。
現場の近くのクレーンを手配するので、回送が短く、早く・ムダなく対応できます。
何トンを手配すればよいかから、ご助言できる担当が対応します。しつこい営業はいたしません。