作業中のクレーンは、タイヤではなくアウトリガー(張り出し脚)で立っています。車体そのものの重さと、吊っている荷物の重さが、この4点に集まります。
しかも、4点に均等にかかるわけではありません。荷物を吊っている方向の脚に、大きく偏ります。旋回すれば、偏る先も一緒に回っていきます。
そして脚の先(フロート)の面積は、車体の大きさに比べるとかなり小さいです。同じ体重でも、スニーカーよりハイヒールの方が地面にめり込みやすいのと同じで、重さが小さい面積に集まるほど、地面は沈みます。クレーンの手配で「地面の状態」をお聞きするのは、このためです。

| 地面の状態 | 見ておきたいこと |
|---|---|
| アスファルト・コンクリート舗装 | 基本的には据えやすい場所です。ただし、下に埋設管や地下構造物がないかは別問題です |
| 砕石敷き・転圧済み | おおむね問題ないことが多いですが、雨のあとは沈みやすくなります |
| 土のまま・造成したばかり | 沈みやすい地面です。敷鉄板や敷板を使う前提で考えておくと確実です |
| 最近掘って埋め戻したところ | 一番注意が必要です。見た目は平らでも、締め固まっていないことがあります |
| 側溝・集水桝・マンホールの上 | 蓋は、クレーンの脚が乗ることを想定した強さではありません。避けて据えます |
| 地下駐車場・ピット・浄化槽の上 | 事前確認が必要です。図面があれば、その情報が一番助かります |
特に見落とされやすいのが、最近埋め戻した部分です。現場の中に掘削した跡があった場合は、たとえ表面が平らでも「先月ここを掘りました」と一言いただけると、据える位置の相談が変わってきます。
敷鉄板の役割は、大きく2つあります。ひとつは、荷重を広い面積に散らすこと。脚の下に鉄板を入れると、地面が受け止める面積が広がるので、沈み込みにくくなります。さきほどのハイヒールとスニーカーの話でいえば、鉄板は「もっと底の広い靴」にあたります。
もうひとつは、通り道の養生です。クレーンは据える場所に着くまで、自分で走って入ってきます。仕上がった舗装の上や、傷めたくない敷地を通る場合は、通り道にも鉄板が要ることがあります。目的が2つあるので、「据える場所にだけ敷けばいい」とは限りません。どこからどう入って、どこに据えるか。この道筋で考えるのが実際のところです。
「敷鉄板は何ミリのものを何枚くらい要りますか」というご質問をよくいただきます。正直なところ、現場を見ないと決まりません。機体の大きさ、吊る荷物の重さ、地面の硬さ、通る距離。この組み合わせで必要な枚数も配置も変わります。市販の鉄板にはよく使われる寸法がありますが、それを何枚どう並べるかは条件次第です。
なので、依頼される側で先に決めていただく必要はありません。地面の状態と、通り道と、据えたい場所。この3つをお聞かせいただければ、必要な段取りをこちらで組み立てます。
これは現場によって本当にまちまちです。元請けさんが工事全体の段取りとして先に敷いているケース、現場に既にあるものを使うケース、こちらで用意するケース。どれもあります。
決まっていない場合は、その前提からご相談いただいて大丈夫です。「敷鉄板は用意できますか」ではなく、「地面がこういう状態なんですが」から話していただく方が、結果的に早く決まります。
この3つが分かっているだけで、当日に「ここには据えられません」となる可能性はかなり下がります。
事前に「ここは厳しそうだ」と分かった場合、打てる手はいくつかあります。据える位置を変えるのが一番シンプルです。少し離れた硬い場所から、作業半径を伸ばして吊るという考え方になります。ただし作業半径が伸びれば吊れる重量は下がるので、別記事「定格総荷重表の見方」で書いたとおり、機種の選び直しになることもあります。
敷鉄板を増やす・広げる、というのも分かりやすい対処です。それでも難しい場合は、地面そのものへの対応(改良や仮設路盤)が必要になることもあります。これはクレーン手配の範囲を超えるので、その判断が要りそうな現場は、早い段階で工事の関係者にご相談されることをおすすめします。
いずれにしても、当日に現場で発覚するのが一番困ります。前もって分かっていれば、たいていは何かしら手があります。
据える場所の地面と、そこまでの通り道。この2つが写った写真があると、段取りの相談がかなり具体的になります。トン数や機種が決まっていなくても大丈夫ですので、「何を・どこへ吊りたいか」と、地面の様子だけお聞かせください。電話(平日9:30〜18:00)・LINE・フォームからご相談いただけます。
現場の近くのクレーンを手配するので、回送が短く、早く・ムダなく対応できます。
何トンを手配すればよいかから、ご助言できる担当が対応します。しつこい営業はいたしません。